あなたはなぜ同じ失敗をするのか?

あなたが失敗する3つの原因

予想していたよりも面白かった。

あなたはなぜ同じ失敗をするのか?』(芳賀繁・著)は、失敗の原因と心理学の立場から分析し、防止方法を解説した電子書籍だ。

本書では失敗の種類を、「ミステイク」(勘違い)「アクション・スリップ」(動作の失敗)「ラプス」(記憶の失敗)の3つに分類している。この分類がわかりやすく、かつ納得しやすいものだった。

僕らが日常よく遭遇する間違い、改札で社員証をかざしてしまったり、キーボードにコーヒーを注いでしまったり、取引先の相手の名前が思い出せなかったりというような現象の理由がきちんと解き明かされるのが読んでいて気持ちいい。

いっぽう、防止の方法については指さし確認やイメージトレーニングなど比較的よく知られているものが多くて、そこは「なーんだ」とも思うのだが、逆によくあるマニュアル的作業手順にもちゃんと裏付けがあることがわかる。また、「ダブルチェックでミスが増える」など、社会心理の問題なども紹介されている。

避難と賞賛の間にあるもの

そして深刻な大事故や大災害のときに硬直的、お役所的な対応で避難を浴びるケースと、柔軟で人間的な対応で賞賛を浴びるケースになぜ分かれるのか? という問題はとても興味深く考えさせられた。

僕は常に効率の良い仕事で楽をしようと考えている人間だが、無駄な仕事の原因はつまらないミスとやり直しなので、いかにミスや伝達エラーがおきない仕事方法を編み出すか工夫をしている。そういう視点で非常に参考になる書籍(電子のみだけど)だった。お勧め。

立ち読みhttp://bit.ly/1u0d1KM

(このエントリの著者はミニッツブック編集部関係者ですが、記事の内容はごく私的かつ公平なものです)

ストレスフリーで効率アップ! EVERNOTEを便利に使う48の技

ストレスフリーで効率アップ! EVERNOTEを便利に使う48の技
佐々木 正悟 (著), 淺田 義和 (著)
1659円

情報管理ツールの定番となったEvernoteを使いこなす考え方や小技、対応アプリの使い方紹介した本。技術評論社から献本をいただいた。
Evernoteは、便利で定番と言われながら、使いこなせていない人が多いらしい。この本もそういう人に向けて使いこなせる考え方を述べている。
Evernoteでは、テキストや画像やその他なんでも情報を張り込める「ノート」をたくさん作るのが基本だが、
・このノートに何を記録するか?
・どうやって整理するか?
が使いこなしの鍵になる。

また、整理の方法として
・複数のノートを収めた「ノートブック」
・ノートにいくつでも付けられる「タグ」
の2種類がある。

本書では、「Inbox」「処理中」「アーカイブ」の3つのノートブックを使ったノートの整理法を紹介している。

Evernoteの使いこなしの本やブログは膨大にあるが、この本も基本的な考え方はEvernoteに身の回りの情報をなんでも放り込んでおいて、あとで活用するスタイルとなっている。
ただ、「レファレンス」と「カタログ」という概念を持ち込むことで、何度も見るデータといつか見るかもしれないデータを分けて扱う点が、面白かった。

後半は、SmartEverやMoveEverシリーズ、Cleverなど、新しめのiPhone/iPad用のアプリを紹介している。

 

【書評】僕がアップルで学んだこと

この本が売れているらしい。「特に新しいことは書いてないんですけど、評判いいんですよ」と制作に関わった編集者が言う。僕も昔、編集記者としてアップルの挫折とスティーブ・ジョブズの復帰劇を現地で目撃した一人だったので、ちょっと気になり送ってもらった。

読んでみて正直、このタイトルはちょっと釣りだと思った。筆者は16年にわたってアップル・ジャパンと米国本社に在席し、副社長直前にまでいった人なので、アップル社内の話はもちろん真実だろうし、それなりに面白いのだが、話の核はそこではない。

この本は、筆者の松井博氏のビジネス論や人生論を説いたものだ。アップル社内での16年間の体験をネタに、企業はどう運営されるべきか、個人はどう仕事をすべきか、そして最後にはビジネスを離れてキャリアプランや人生論にまで踏み込んでいく。

最初、「新しいことは書いていない」というのは本当だと思った。死にかけていたアップルが奇跡的な復活を遂げた理由、日本の企業がアップルに勝てない理由、うまく行く仕事の進め方、会社で出世する方法、人生を前向きに展開する方法、すべておいて、よく知られている事実や当たり前のことが書いてある。

しかし、その当たり前のことの説得力が違う。類書によくある薄っぺらさがない。松井氏の実体験に裏打ちされた言葉だからこそ、整理整頓が基本とか、「準備・実行・後始末」という仕事のサイクルのあり方とか、早寝早起きの大事さを今更のように説かれても、スっと身体の中に染みいってくる。

松井氏の引き出しの多さもこの本を楽しくしている。ちょっとした心理学の引用などに「へぇ」とさせられるのは、かつて合気道の道場を経営していたとか、若い頃に世界一周の旅の出たとか、今は米国で新しい教育事業を手がけているなどなど、多彩な人生経験において自然に積み重ねたものがにじみ出ているからなのではないだろうか?

ユニークな話題もある。「社内政治」を正面から捉えて、前向きに勝ち抜くための心構えと方法論を説いているのだ。それも弱肉強食で知られるアップル社内で生き残ってきた体験から語られるのだから説得力があるし、グローバル企業だけでなく、日本の企業でも十分通用しそうな考え方が語られている。

僕のように擦れた読者にとって、この手のビジネス系新書で「読んで良かった」「人に勧めたい」という本はなかなかないが、希望に燃える若手や新人にも、同世代のベテラン・ビジネスマンにも、この本を薦めたい。読むことで、自分の中のもやもやした部分がスッキリ片付き、前向きな気持ちが沸いてくる。そんな本だと思う。

「3月のライオン」を娘と一緒に読んでみた

昨夜のスゴ本オフでもらったコミック「3月のライオン」の1巻。

小学生4年の娘が熱心に読んでいるように見えた。

「面白い?」と聞いたら、そのときは「うーん、まあまあ」という返事。

いつもは、「ショコラの魔法」とか「プリティーリズム」とか、小学生の女の子向けのわかりやすい小説やコミックしか読んでいないので、大人向けの漫画はまだちょっと、細かい表現はわからないのかもな、とそのときは思った。

あとから僕も読んでみた。実は読んだことなかったのだ。知らなかったけど、天才プロ棋士の少年の孤独感と周囲の人の心の触れあいを描いた話なのね。

「へー、面白いじゃんこれ!」と言ったら、テーブルで勉強していた娘が「そうでしょ!」と食いついてきた。そのあと「読めない漢字がちょっとあったけど…」とちょっとテンションが下がったけど、でもこういう心の機微がわかるお年頃になったのかもね。

子供たちと、好きな本や映画や音楽について、あれこれ語り合える日が来たらいいな、と思っている。

 

 

35年の時を超える傑作冒険小説。「シャドー81」

「面白い」と強く勧められなかったら、たぶん一生読まなかったろう。

タイトルは以前から知っていた。有名な作品であるとも知っていた、しかしもはや「昔」の作品で、今読んで面白いとは思えなかった。

ロサンジェルスからハワイへ向かうジャンボ旅客機が、完全武装のジェット戦闘機に背後から狙われてハイジャックされる話。それも知っていたけど、底の浅いアクション小説なんじゃないかと思っていた。

なにしろ35年前に発表された小説である(1975年米国ダブルデー社)。作品の背景としてベトナム戦争が描かれている。そんな昔のジェット戦闘機が活躍する話が、21世紀のいまになっても楽しめるものなのだろうか?

おまけにこちとら、この作品が発表された中学生の頃は、いっぱしの軍用機マニアだった。毎月、航空ジャーナルを買ってむさぼり読んだり、ひとりで入間の航空ショーまで写真を撮りにいっていた。中途半端な飛行機の描写は白けるんだよなぁ。

 

と、読まない理由はいっぱいあったのだけど、例によってスゴ本オフでDainさんや新潮文庫の中の人が「徹夜本」と太鼓判を押していたので、これは読まないと駄目かもしれないと思って持って帰ってきた。

この作品が発表された1975年は、航空機の黄金時代だった。自動可変翼をそなえ、遠距離から多数の敵を同時に攻撃できるフェニックスミサイルを搭載した米海軍の万能戦闘機F-14トムキャット。推力重量比1.0を上回る強力なエンジンを翼面加重の低い機体に搭載した戦闘機の王様のような米空軍のF-15イーグル。魔法のような垂直離着陸を実現したイギリス製のハリアーシリーズ。最高速度マッハ3を超えるソ連製のスーパー戦闘機MiG-25。独特の二重三角翼による短距離離着陸機能によって高速道路を滑走路代わりにできると言われたスウェーデン空軍のサーブ37ビゲンなど、各国がテクノロジーを競って個性の強いジェット戦闘機を開発、投入していた。日本も戦後初の国産ジェット戦闘機三菱F-1を初飛行させたのが1975年だ。

航空機の花であるジェット戦闘機以外でも、ユニークな機体はたくさんあったし、民間航空機のほうもボーイングとエアバスが大型旅客機の覇を競ったり、超音速旅客機のツポレフTu-144やコンコルドが相次いで就役するなど、飛行機好きでなくても興味をそそられるほどエキサイティングな時代で、中学生になったばかりの僕もそこにハマったのだ。

 

この小説『シャドー81』には、実は上記にあげた華麗なるスーパー戦闘機はひとつも出てこない。その代わりに、作者が考案した架空の戦闘機「TX75E」が登場し、いっぽうの主役を張る。もう一方の主役はみなさんご存じの大型ジェット旅客機ボーイング747だ。実をいうと、この架空の戦闘機が、現実に存在する旅客機をハイジャックする、という虚構を構築したことこそ、この作品を35年後の今もリアリティを損なわずに楽しめる成功の礎になっている。

この、架空マシンがもたらすリアリティは、『機動戦士ガンダム』のリアリティと似ている。宇宙戦争を背景に巨大な人型ロボットが戦うという荒唐無稽な設定に、細かい肉付けを行うことで迫真のリアリティを与えたことが、日本のTVアニメおけるガンダムのイノベーションだった。巧妙に虚構を構築し、その上でリアルきわまりなく感じる、しかし実は誇張された壮絶な人間ドラマが展開する。人間という存在に対する皮肉、諦観、からかい、そして希望。それが機動戦士ガンダムの醍醐味であり、30年以上も色あせずに支持されてきた理由だ。

『シャドー81』もまた、同じ構造をもつ。戦闘機以外にも男子の心をくすぐる数々の巧妙な仕掛けが登場し、ワクワクさせる。そして、徹底的に周到に用意された舞台が幕を開けたとき、怒濤のような人間模様が展開する。乗っ取り犯、乗っ取られた旅客機のパイロット、乗り合わせてしまった上院議員、美人スチュワーデス、地上で奮闘する管制官、特ダネを狙う新聞記者、当惑する軍の上層部、etc.それらの群像が織りなす人間模様こそが、この小説の醍醐味だ。

果たして、このあまりにも秀逸な犯罪のシナリオは成就するのか? 次々と襲うアクシデントに、足をすくわれ泡と消えるのか? 最後の一行までなにが起こるか予測できない。第一級の冒険小説とはこういうものを指すのだろう。

残念ながら、僕の読んだ新潮文庫版は絶版になっているが、現在は早川文庫から刊行されている。
新潮文庫の中の人によれば、絶版にするときはきちんと公にして、ほかの出版社から復活できる機会をきちと提供している。そういうことをしている出版社は新潮とあともう1社くらいしかないそうだ。
世に名作を絶やしたくないという新潮文庫の中の人に敬意を表して、早川版でもぜひお楽しみいただきたい。

計算をしない、結果を求めない。気高い葉隠武士の壮絶な生き様 「死ぬことと見つけたり」

先日のスゴ本オフ「マイベスト新潮文庫」のブックシャッフルで、この本を入手した。 スゴ本オフでの紹介は「虎に食われたり、鉄砲で撃たれたり、溺死したり、と毎日、さまざまな死に方を頭の中で想像し、体験してる人の話」というものだった。なんじゃそりゃ? スゴ本オフで紹介される本は知られざる名作、傑作が多い。この本についても読んだ人はみな「面白い」と太鼓判を捺してきた。

いつも死に方を頭の中でシミュレーションしている奇妙な人の話って、哲学的な寓話かなにかだろうか? と思った。そういう話はあまり得意ではないのだが、なんとなく勘が働いて争奪戦にエントリし、ジャンケンに勝ってみごとにゲットしてしまった。

話は、戦争体験から始まる。ランボオと中原中也を愛する熱烈な文学青年でありながら、太平洋戦争の末期に学徒出陣で陸軍に徴兵されてしまった作者は、活字への渇望から文学的価値において無視していた『葉隠』をむさぼり読むようになる。ご存じのように『葉隠』は武士道精神を説くバイブルのひとつで今では有名だ。本書のタイトルも『葉隠』に出てくる「武士道とは死ぬことと見つけたり」という非常に有名なフレーズから来ている。戦争当時は、軍部がこの言葉を軍国主義を浸透させるための道具として利用した。現代においては、武士という独特の生き方をした階級の、異常かつ神秘的な心理をわかりやすく際立たせるフレーズとして用いられるが、実際の所、この言葉の本当に意味するところなど知らないし興味もない、というのは僕だけではないだろう。

そもそも『葉隠』とは現在の佐賀県にあった肥前藩の山本常朝の談話を田代陣基が聞き書きした、肥前藩の武士たちのさまざなエピソードを基に武士社会で生きていくための哲学やマナーを説いた本らしい。勇猛で知られる肥前鍋島藩の武士たち生き方は、武士が官僚化しつつあった江戸時代において危険思想だったらしく、Wikipediaによれば「江戸期にあっては長く禁書の扱いで、覚えれば火に投じて燃やしてしまうことが慣用とされていた」そうだ。

この「葉隠」を、若き日の作者は軍国主義・全体主義のバイブルではなく、『レ・ミゼラブル』や『モンテ・クリスト伯』や『デビッド・カッパーフィールド』のような冒険と波乱に満ちた痛快この上ない読み物として愛読した。そして後に「葉隠」のエピソードと江戸初期の肥前鍋島藩を襲った歴史上の事件を脚色して書かれたのが、本書「死ぬことと見つけたり」なのだ。

武士道を扱った小説と言えば、森鴎外の短編『阿部一族』が有名だ。本書の舞台となる肥前藩のお隣、肥後藩で実際におきた事件を脚色した作品だ。ここにおいても武士階級の人々の壮絶な生き方、いや死に方が描かれているが、なぜそんな死に方をするのかについて、心情的には活写されているが思想的バックボーンの説明はない。本書はエンターテイメント時代小説の形をとりながら、数百年にわたって戦闘集団としてカスタマイズされてきた武士階級の理想と、平和な時代に官僚化せざるを得なかったために生まれる軋轢と悲劇を、武士階級の誇り高き死に方という形で描いている。

ただ、そんな葉隠武士たちの生き様が、現代社会とかけ離れたファンタジーなのかというと、そんなことはない。彼らの徹底して計算をしない、結果を求めない生き方こそ、さまざまな選択肢の中で揺れ続け、結果としてどこにも進めなくなっている現代の日本人に必要なものではないだろうか。

【読書メモ】実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ

 あまりこういう本は好きじゃないと思ってたのだけど、読んでみたら面白かった。

「こういう本」というのは、俺はこんなにいっぱい本を読んでいるぞ。俺と同じように、たくさん本を読むには、俺の編み出したこの方法を実践しなさい。

 というよような本。正直、本をたくさん読もうとすれば、速く読めばいいだけ。この本も、メモ取りながら、1時間30分くらいで読んだ。もっと速く読む人も大勢いると思う。

 でも、実は本書は「こういう本」ではなかった。

 ここで一応語られている多読の方法論は

 (1) 同時並行で複数の本を読み進める。

 (2) 生活の要所要所に本を配置しておく。

の2つに過ぎない。

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【読書メモ】塩の街

いまさらですが、有川浩の『塩の街』を読んだのでメモ。

いつの間にやら、書店の平棚のあちこちを著書が占拠する人気作家になった有川浩のデビュー作。

『図書館戦争』しか読んだことなかったのですが、ここにいたって手を出してみた。

 突然の塩害に飲み込まれ、滅びの道を刻一刻とたどる東京、日本、そして世界。

 誰もがいつかは塩の柱となってしまう。そんな絶望のなかで淡々と暮らす人々。

 そして、世界が終わる瞬間まで、人々は恋をしていた。

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代理ミュンヒハウゼン症候群(書評)

 親が自分の子供を重篤の病気に仕立てる。

 食塩、利尿剤、催眠剤、下剤、ぜんそく薬、もしくは子供の排泄物などを摂取させたり注射したり、点滴にまぜたりして、原因不明の重病にしてしまう。そんな不可解な虐待行為を「代理ミュンヒハウゼン症候群」(MSBP)という。

 2008年末に起きた、母親が娘(五女)の点滴に腐敗した水を混入させて敗血症を引き起こさせた事件も、この「代理ミュンヒハウゼン症候群」の代表的な事件だ。五女の事件が発覚する以前に次女から四女までの3人がすべて幼いころに原因不明で死亡していた。始まったばかりの裁判員制度において、事件全容の理解と判断が難しい難事件として注目された。

 本書は、まず海外で起きたさまざまな例をとりあげ、さらに上記の国内の事件についても、当事者達の事情や、それを司法がどう扱い裁いてきたのかを詳しく解説している。

 親は子供を愛し守る者、というのが世間の一般常識だ。では、なぜ「代理ミュンヒハウゼン症候群」の親たちは、子供を無理矢理病気にするのか?

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書評「青ひげ」

  「青ひげ」は、シャルル・ペローによる童話だ。ある娘が、金持ちだが青ひげを生やした恐ろしい風貌の男からしつこく求婚される。青ひげは以前に何人もの女と幾度も結婚を繰り返したが、妻たちはいずれも行方不明となっていた。しかし、青ひげの熱心な求婚と贅を尽くしたもてなしに、ついには結婚を承諾してしまう。

 青ひげは新妻に対して、どの部屋を見ても良いが地下の奥の部屋だけはけっして開けてはならない、と言い残して旅に出た。しかし、開けてはならないと言われると余計に興味をそそられ、新妻は我慢できずに禁じられた「開かずの間」の鍵を開けてしまう。地下の開かずの間には行方不明になっていた前妻たちの死体が並んでいた。禁が破られたことを知った青ひげは、新妻をも殺そうとする。

 その同じ「青ひげ」をタイトルにした本書(原題:BLUEBEARD)は、カート・ヴォネガットの12番目の長編小説で、ある邸宅の「開かずの間」を軸に、架空の現代史を背景にしながら、ひと夏の間におきた、ある事件を描いている。


青ひげ

  • カートヴォネガット
  • 早川書房
  • 819円

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書評

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