紅白歌合戦とiTunesランキングの関係をみて考えたこと

昨年末も紅白歌合戦を見てしまった。TVの前に座ってしっかり見ていたわけではないけど、とりあえず、家族や親戚が集まって夕食をとりながら、TVのチャンネルをNHKに合わせてお茶の間のバックグラウンドに紅白を流す。たまに知っている歌手が出ると「XXでてるよ!」「今年はXX出ていないんだ」「XXって誰?」なんて会話を交わす。大晦日の夜には、そういう風景が日本中のあちこちで見られたのではないだろうか。

普段はTVの音楽番組を見たりしないので、年に一度紅白を見て、その年に流行った歌や話題になった歌手を知る、というのも僕だけではないだろう。

2012年は僕のまわりで、“ももクロ”こと、ももいろクローバーZにハマった老若男女が多く、僕もアルバムを買ったりしたが、紅白で歌った2曲のうち、前半の「サラバ、愛しきかなしみたちよ」は知らなかったので、翌日、ググってYouTubeで公式MVをあらためて見てみた。

コメント欄に「iTunesで2位になっている」という書き込みがあったので、iTunes Storeを見に行ってみた。するとたしかに、ももクロの歌が2位になっていた。メドレーのもう1曲である「怪盗!ももいろクローバー」も10位に入っている。それだけでなく、なんと上位10曲中の9曲までが紅白出場曲だった。

iTunes ミュージック総合ランキング(1月2日朝)

  • 1位 「風が吹いている」 いきものがかり
  • 2位 「サラバ、愛しきかなしみたちよ」 ももいろクローバーZ
  • 3位 「女々しくて」 ゴールデンボンバー
  • 4位 「やさしくなりたい」 斉藤和義
  • 5位 「GO FOR IT !! 」西野カナ
  • 7位 「紙飛行機」 コブクロ
  • 8位 「いちばん近くに」 HY
  • 9位 「ファッションモンスター」 きゃりーぱみゅぱみゅ
  • 10位「行くぜっ!怪盗少女」 ももいろクローバー

もはや国民的行事ではなくなってきたと言われて久しい紅白歌合戦だが、今回の視聴率は42.5%(関東地区、第2部)。5年連続で40%以上をキープしている。計算上は4000万人くらいが見ているわけで、放映後24時間以上たってもiTunesランキングの上位を独占するだけの影響力はあるわけだ。

しかし、11位から30位を見ると、紅白曲でエントリーしているのは3曲。50位まで広げてみても9曲しかない。4000万人が見ているなら、もっとランキングに影響があってもいいんじゃないか? と思った。

総合ランキング11位以下(1月2日朝)

  • 14位 「サヨナラじゃない」FUNKY MONKEY BABYS
  • 16位 「花火」三代目 J Soul Brothers 
  • 26位 「つけまつける」きゃりーぱみゅぱみゅ
  • 31位 「Brave」ナオト・インティライミ
  • 32位 「ギンガムチェック」AKB48
  • 42位 「Rising Sun」EXILE
  • 45位 「Good-bye days」YUIfor雨音薫  
  • 48位「はじまりのとき」絢香 
  • 50位 「 明日へ」MISIA
  • 59位 「UZA」AKB48 
  • 66位 「DIAMONDS(ダイアモンド)」 プリンセスプリンセス 
  • 70位 「初恋」中島美嘉 
  • 71位 「777 〜We can sing a song!〜」AAA 
  • 77位 「天城越え」石川さゆり
  • 85位 「BRIGHT STREAM」水樹奈々 
  • 107位 「ヨイトマケの唄」美輪明宏
  • 152位 「プリズム」YUKI
  • 182位 「夜明けのブルース」五木ひろし 
  • 186位 「Go to the top」倖田來未

なお、総合ランキングに入れなくても「歌謡曲」でランクインしている曲もあった。

歌謡曲ランキング(1月2日朝)

  • 1位 「ヨイトマケの唄 」美輪明宏
  • 2位 「夜明けのブルース」五木ひろし 
  • 3位 「夜桜お七」坂本冬美
  • 49位 「恋ざんげ」伍代夏子
  • 162位 「夜明けのスキャット」 由紀さおり&ピンク・マルティーニ

 

iTunes Stroeのランキングに登場しない曲は、3つのグループに別れる。

【1】紅白出場曲がiTunesで販売されているのに、ランキングに登場しない

浜崎あゆみ、SKE48、香西かおり、舘ひろし、森進一、細川たかし、徳永英明、天童よしみ、和田アキ子

これらの歌手は、(a) iTunes Storeに購買層がいない、(b) iTunes Storeのユーザーはみなすでに購入済みである、などの理由が考えられる。

【2】iTunes Storeで楽曲販売しているのに、紅白出場曲は買えない

  • 「風雪流れ旅」北島三郎
  • 「Spring of Life」Perfume 

これはちょっともったいない。

【3】iTunesで一切、楽曲を発売していない

NYC、藤あや子、水森かおり、ポルノグラフィティ、関ジャニ∞、TOKIO、郷ひろみ、aiko、氷川きよし、嵐、福山雅治、SMAP、

これらの歌手やグループは、iTunes Storeでは販売していないが、着うたフルで入手可能な場合もあるようだ。

 

以上のリストをざっと見ていて、以下のようなことを考えた。

(1) 急成長中のアーチストは、紅白出場をきっかけにさらに購買層が広がる

AKB48やEXILEのように、現在人気の頂点にあるとおもわれるアーチストは、紅白に出たからといってiTunesランキングを賑わしたりはしない。それに対して、ももクロやゴールデンボンバー、きゃりーぱみゅぱみゅみたいな、2012年中に話題を集めた新しいアーチストがランキング上位を占める傾向がある。

それ以外の上位勢を見ると、斉藤和義はすでにベテランだが、「やさしくなりたい」は話題のドラマ「家政婦のミタ」の主題歌だ。
また、いきものがかりの「風が吹いている」はNHKのロンドンオリンピックのテーマソングで、紅白では紅組のトリとなった曲だ。

(2) 大ベテランは、定番曲がうける

昭和から歌い続けている大ベテランの中では、石川さゆりの「天城越え」と五木ひろしの「夜明けのブルース」がポップスが中心であるiTunesで総合ランキングに食い込む健闘をした。いずれも昭和を代表する歌謡曲なので、久しぶりに聞いて良さを思い出した、というアラフィフ以上の人たちが買ったのかもしれない。ちなみに、石川さゆりはもうひとつの代表曲である「津軽海峡冬景色」も190位にランクインしていた。(「夜明けのブルース」は新曲だそうでです。失礼しました。)

そう考えると、ランクインできなかった和田アキ子は今回の「愛、とどきますか」みたいな馴染みの薄い曲や、最近の定番である「あの鐘を鳴らすのはあなた」ではなく、「笑って許して」や「どしゃぶりの雨の中で」など初期のヒット作を歌ったほうが視聴者の琴線を揺らす可能性が高いかもしれない。

なお、美輪明宏の「ヨイトマケの唄」も107位と頑張っているが、この人は石川さゆりや五木ひろしと違って、現役の売れっ子TVタレントだ。現代のポップスとはまるで異質の存在だが、初出場という話題性に紅白での歌唱の素晴らしさも加わっての成績なので、上記のベテランたちとは少し事情が異なるといえるだろう。

(3) ポップス女王の終焉?

浜崎あゆみは、総合ランキングどころかJ-POPランキングにも入っていなかった。TVではいまだに大物アーチストの扱いだが、固定ファン以外にとっては関心を引かない存在となってしまったのかもしれない。僕個人も、最近の浜崎あゆみは、たまにTVでみても世界感がわかりにくいという印象しかない。“アーチスト”なので自分の世界を追求するのは当然かもしれないが、流行歌手としては難しい局面に入ってしまったように見える。

 

iTunes Stroreは日本では成功してない、という指摘もあるので、ここに述べたのは局所的なデータによる極論に過ぎないかもしれない。しかし、今後ネットで音楽を買うというのが一般的になっていくことは間違いないはずだし、TV出演がその売り上げに影響する動きもより強くなっていくだろうと思う。

音楽販売の関係者は今後、TV出演に合わせてネットでの販売を促進するノウハウを蓄積し展開していくことになるだろう。

 

 

若者のクルマ離れを嘆く前に日本版「TOP GEAR」を作ればいいと思う

最近、Hulu.jpで「TOP GEAR」をよく見ている。イギリスのBBCが制作しているクルマをテーマにした情報バラエティだ。

以前からニコニコ動画やYouTubeで部分的に見る機会はあって、クルマを使った無茶苦茶な実験やスケールのデカいおふざけの数々に、さすが「モンティ・パイソン」を制作してた放送局だけのことはある、と感心していたけど、改めてTV放送時と同じまるまる一本で見ると、面白いし洒落ているし、クルマへの愛に満ちていて、素晴らしい情報エンターテイメントだと思うし、「テレビ」の凄さに圧倒される。

 

公式動画より、有名な、日産GT-R VS 日本の鉄道、どっちが速いか対決企画。Huluでは、字幕付きで見られますw

 

公式動画より、フランスのスーパースポーツ、ブガッティVS最新戦闘機ユーロファイター 

 

YouTubeやニコニコ動画などに掲載されるユーザーが作成する動画に人気が集まるようになって久しい。たまにTVをつけても、お手軽に作られた退屈な番組ばかりで、これだったらニコ動のほうが面白いじゃん、なんてことも多い。プロの作った番組が、素人が作った動画に負けている。そんな冗談みたいな状況が現実のものとなってしまっている。

でも、もちろん全部のテレビ番組がお手軽で退屈なわけじゃなくて、今年のNHK大河ドラマの「平清盛」とか、先日話題になったテレビ東京の池上彰の選挙特番とか、いい番組もある。やっぱ、プロが本気を出したら素人なんて及びもつかないことができるのだ。

BBCの「TOP GEAR」は、プロの本気の塊みたいなコンテンツだ。歯に衣着せぬ辛口なレビュー、洒脱なトーク、映画のように美しいロケ映像、テンポの良い演出、壮大かつ馬鹿馬鹿しいにもほどがある実験。どれもプロの技術と莫大な予算と時間がなければできない仕事だ。そして一番大事なのは、「俺たちはクルマが好きだ!」というメッセージがビンビンと響いてくること。この番組を見ていると、どんどんクルマが好きになる。個々のクルマは、ときには厳しすぎる評価にさらされるけど、それでも、クルマ好きを世の中に増やすことによって、この番組は世界中の自動車販売に良い影響を与えているんじゃないかと思う。

日本のクルマ番組というと「カーグラフィックTV」が思い浮かぶ。オシャレな音楽と知的な蘊蓄話でそれなりに高級感を漂わせた、狭い範囲での「クルマ好き=エンスージャスト」のための番組。みんなお金があって、BMWが「六本木カローラ」と呼ばれてた時代にはそれなりにニーズがあったが、若者どころか日本人全体がクルマ趣味から遠ざかりつつある今、地上波キー局で放送されなくなったのも当然だろう。

 

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カーグラフィックTVの公式動画は、埋め込み不可なのでYouTubeで見てください。真面目かつ地味です。あと、埋め込み不可にする意味がまったくわからない。クチコミで広めたりしてほしくないんだよね、きっと。

 

こんな1億総クルマ離れの時代に、トヨタはビートたけしや木村拓哉を使った「信長と秀吉」とかジャン・レノを使った「ドラえもん」のCMを放映しているけど、あんなCMでクルマが好きになると思えない。だって、クルマの楽しさ、面白さが全然、まったく、ひとかけらも伝わってこないのだから。

 

 トヨタのCM、ReBORNシリーズの信長&秀吉編。これ見てクルマが好きになった人がいたら教えてください。

 

そんな無駄なお金を使うぐらいだったら、日本版トップギアみたいな番組を作って、ばんばん流せばいい。クルマを運転する楽しさ、語り合う喜び、所有したいという欲望をめいっぱい楽しめる番組を作るべきだ。

クルマは超高額商品だ。とくに趣味のクルマは高い。情報通信技術や公共輸送機関、それに物流網が高度に発達した現代社会でクルマを所有する実用的な理由はどんどん少なくなっている。もはやクルマを買わせるには所有欲に訴えるしかない。そもそも40年前ですら「隣のクルマが小さく見えま〜す」というCMがあったように、クルマを買うと言うことは所有欲を満たすことなのだ。そして高額なクルマが売れれば、経済が回る。所有したクルマで行楽にでかければ、さらに経済が潤う。

そういった経済効果を考えると、日本版「トップギア」の制作はトヨタや日産みたいな企業だけでなく、政府が経済施策としてやるべきことなのかもしれない。

安倍内閣のみなさま、ぜひとも日本版「トップギア」の製作支援をぜひご検討ください。

 

追記:

いまは、BSフジでもTOP GEARを見られるんですね。知らなかった…。

http://www.bsfuji.tv/topgear/

 

 

 

 

東工大の大学祭に行ってきたよ。

うちから歩いて5分ぐらいのところに、東京工業大学がある。

いうまでもなく、日本の理工系大学の頂点で、海外からも多数の留学生や研究者が訪れている。 
そんな東工大の大学祭が今年もやってきた。
 
今年の東工大祭は、最大の注目点は、ロボットなど技術系の展示が体育館に集められていること。昨年までは複数の教室をグルグル回っていたが、展示の場所を探すのが大変だった。今年は体育館におもな技術系展示が集まっているおかげで、自分が興味のある展示を見落としにくくなったと思う。
 
以下、写真を撮れた展示を中心に紹介。
 
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笛をふく蛇と鉄琴を叩くパンダによる合奏。なんだかよくわからないけど、可愛かった。
 
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二足歩行ロボットの展示。息子が「かっこいい!」と食いついたけど。残念ながらPC上のリモコンソフトが動かなくて再起動中。息子が待ちきれずに歩いているところは見られませんでした…。
 
 
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おなじみ、マイクロマウスの展示。赤外線ライトとセンサーの組み合わせで壁のあるなしだけでなく、距離も測り、迷路を探索するだけでなく、最短ルートも自分で割り出す。時代とともに進歩してますね。
 
 
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リモコン8本脚ロボットを操縦させてもらいました。「なぜ8本脚なんですか?」「えー片側最低2本ずつあれば最低限の安定歩行はできるんですが」「8本脚以上は?」「複雑になるので難しいですねー」
 
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NHK大学ロボコン出場マシンその1。これは全自動タイプで、奥にある発泡スチロールの円柱をつかんで、手前にバスケットに入れる。生意気にも1回の動作で上下の段から1つずつ、計2個同時に動かせる。非常に安定した動作だったけど、カメラではなく縦横の位置で判断しているそうです。
 
 
 
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NHK大学ロボコン出場マシンその2。これは人間が操縦するタイプ。ロボットアームで標的の円盤をつかんで、奥にある細長いポストに縦に入れる。PSのコントローラと脚のペダルの組み合わせでアームを操作し、回転や前進も行う。
 
 
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世界最初の戦車イギリスの「Mk-I」をロボットとして再現。残念ながら稼働は見られず。
 
 
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東工大の(もしくは工大祭の?)公式萌えキャラテックちゃん。オリジナルアニメも上映されています。
 
 
 
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なんと、東工大にニコニコ技術部が進出!
 
 
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Nico tech Expo その1。
こちらで、赤外線リモコンに反応して光るペンダントの電子工作ワークショップに参加しました。
 
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人生初の半田付けをする息子と娘。ステップバイステップで指導してくれて、ハンダの難しいところは途中問題があればお兄さんが直してくれました。「間違っても大丈夫。直せるから」と言ってくれるのが良かったです。
 
 
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完成! わかりにくいけど、チカチカ、光ってます。
 
 
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Nico tech Expo その2。
初音ミクの「あの楽器」が展示されていました。タッチパネルの触り方で、いろんな音がします。
 
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Nico tech Expo その3。
「レポートフォンの極み」って何ですか? と聞いてみたら、生中継でレポーターが使うマイク機材を、専用の放送設備ではなく、固定電話や携帯電話の回線を使って代用してしまうという画期的な機材だそうです。ポイントは音質の向上と、レポーターが自分の声のフィードバックをしっかり聞けるようにしたこと。自分の声が聞こえないとうまくレポートできないそうです。
 
画期的な発明だけど、売れていないそうです。誰か、紹介してあげて。
 
 
 
 
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Nico tech Expo その4。
ペットボトルロケットの打ち上げ体験。自転車用空気入れで空気を入れると、臨界点でボン!っと数メートルの高さにロケットが舞い上がる。これは楽しい! 展示者は外人のオジサンで、成功するとハイタッチしてくれるのがまたいいw
 
 
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オリジナルロケットもいろいろ。
 
Nico tech Expoには、有名なはやぶさのコスプレイヤーの方も来ていましたが、写真をお願いしていいものかわからず、断念。ちなみに、初音ミクの服の袖の点滅を実現したという、展示コーナーでした。これも写真なし…。
 
 
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こちらは、本館1F奥でやっていた「化学ショー」の体験実験。こちらはアルコールの爆発をつかったロケットです。まずは、コーラの缶を切り抜き、底部に鋲と釘で点火用の窓を開ける。
 
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缶の準備ができたらアルコールをシュッシュッと3回ぐらい吹いて。
 
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紙コップを乗せて、手で暖める。するとアルコールが気体となって内部に充満する。
 
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あとは、チャッカマンで火を付けると、
 
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アルコールが爆発して、紙コップが飛び上がる。
 
 
このあと、マジック研究会に行ってカードマジックをいくつか見せて貰いました。
こちらもなかなか面白かったです。
 
 
東工大の学祭は明日まで。場所は東急大岡山駅の目の前です。
小学生のお子さんがいるなら是非!
 
工大祭公式ホームページ
 
 
 
 
 
 

iPhone 5を買うべきでない5つの理由

前回の「iPhone 5を買うべき5つのポイントがなんか好評だったので続編。
ジョブズの古参信者としてはそう簡単にティム・クックの軍門に下るわけにはいかないのだよ。

Iphone 4

 

(1) LTEが2GHz帯にしか対応していない。

長らくソフトバンクの問題は、2GHz帯の電波免許しか持っていないことだった。それが900MHz帯の「プラチナバンド」が利用可能になったことで、ようやく繋がりやすくなってきたという。ところが、iPhone 5のLTEは日本では2GHz帯にしか対応していない。auでもソフトバンクでも同じことで基地局の数とか3Gとの帯域の棲み分けとかいう以前に、いざというとき電波が入らない可能性がある。「LTEが入らないときは3Gで繋がる」というが、その場合はiPhone 4Sと変わらないことになる。
「新しいiPad」は日本のLTEに対応していなかったが、今回のiPhone 5は日本のLTEに対応した。次は800MHz帯のLTEに対応するかもしれない、と思いたくなるのは人情だろう。

auの7GBという通信量制限も気になる。7GBは動画を利用するなら余裕のある数字ではない。天井を気にしながらビクビク使うのはスマートではないと思うのだ。

(2) NFCがついていない

iPhone 5のスペックはほぼ事前の予想(もしくはリーク情報)どおりだった。ただひとつ、NFCの搭載だけは先送りになってしまった。NFCにいくつかメリットがあるが、一番わかりやすいのはおサイフケータイ機能の実現だろう。ガラパゴスと揶揄される日本のケータイ技術だが、おサイフケータイに関しては非常に優れたソリューションだと思う。日本は電子マネー王国だ。電車もバスも駅のキオスクでも街のコンビニでも自動販売機でも、SUICAやPASMOのカードが1枚あれば事足りる。それが携帯電話やスマホに統合されてチャージなどの管理ができるようになったとき、本当に未来が来たと感じたものだ。
NFCがiPhoneに搭載されるというのは、業界全体の共同幻想みたいなもので、次のiPhone 5S(iPhone 6 ?)だって採用されるかどうかは怪しい。それでも、NFCの欠けたiPhone 5を買うのはちょっと負けた感じがしないでもない。

(3) 純正Dockがない

みんな不思議に思わないのだろうか? iPhone 5には純正Dockがない。2003年に第3世代iPodが発売されて以来、iPodとiPhoneには純正Dockが提供されてきた。現在僕が使っているiPhone 4 / 4S用の純正DockはいかにもAppleらしいミニマムなサイズで、iPhoneを軽く載せるとしっかりとホールドしてくれる。純正Dockに載ったiPhone 4Sは卓上でも美しい。だから結局ケースもバンパーも付けずに使い続けてきた。
新しいLightningコネクタはクールだ。しかし、Appleは専用ケーブルや変換コネクタはアナウンスしても純正Dockは発表されていない。JBLからLightningコネクタ対応のスピーカーが発売されるようだが、僕がほしいのは邪魔なスピーカーではなく、ミニマムにコンパクトなDockなのだ。

 

(4) iPhone 4Sのほうがカッコイイ

iPhone 5は薄くて薄墨に統一されたカラーがクールだ。でもThinkPadみたいで、いままでのApple製品とはちょっとテイストが違う。ディスプレイが長くなったことに伴うプロポーションの変化も、iPhone登場以来の絶妙な縦横のバランスの良さを失わせている。
iPhone 4Sは、ガラス+アルミニウムという後期ジョブズ時代のデザインの頂点と言える完成した美しいデザインがなによりの魅力だ。毎日手に取るデザインとしてなら、iPhone 4Sのほうが喜びが多いだろう。

(5) ヘッドホンジャックが下になった。

にゃんこ型イヤホンジャックカバー」が付けられないじゃないか!(怒)

 

というわけで、僕は焦らず初期購入ユーザーさんの動向を見ながら、iPhone 5を買うかどうか考えさせてもらいます。

発売日すぐに買ってみせびらかすものいいけど、しばらく、買うかどうか考えるというのも楽しいはず。以前は、持っている製品に不満がけっこうあったので一刻でも早く買い換えたかった。けど、iPhone 4Sは本当に良い製品なので、こういう余裕が持てる。時代が成熟するってこういうことなのかも。

iPhone 5を買うべき5つのポイント

iPhone 5は買わないつもりだった。まだiPhone 4Sを買って1年たっていないし、現状で不満はあまりない。そのうえ、iPhone 5はハード性能を順当に進化させただけの地味なバージョンアップだと感じたからだ。
 
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しかし、少しずついろんな情報を検討していくと、iPhone 5の地味な進化こそ、実はいま必要とされているものなのかもしれない、と思い出した。
 以下は、あくまで個人的なメモである。
 

(1) 薄くて軽い

iPhone 5の重さ112g、厚さ7.6mmは、iPod touch第一世代の120g、8mmや第二〜第三世代の115g、8.5mmよりも軽くて薄い。一方、iPhone 4Sは140g、9.3mmでiPhoneシリーズの中で最も重い。
ジョギングにはiPod nanoをいつも使っているが、電池切れで使えないときは、iPod touch第一世代をポケットに入れて持って行く。一度、途中に写真を撮ってみようとiPhone 4Sを持って出てみたが、重くて厚くて走るとポケットの中で暴れてしまい走りにくい。わずか20gの差が意外と大きいのだ。
軽くて薄いiPhone 5なら利用シーンを選ばず常に一台で済むかもしれない。
 
 
 
(2) CPU処理速度が2倍
iPhone 5のA6プロセッサはiPhone 4SのA5プロセッサの倍の処理能力を持つ。iPhone 4Sは十分に高速ではあるが、iPhotoで写真を加工したり、iMovieでムービーの編集を行うときは、それなりに数十秒とか数分の待ち時間がある。忙しくて時間がない現代人(iPhoneユーザーにありがち)にとっては、さまざまな処理時間が早くなるだけで、多くのストレスから解放される可能性がある。次項の通信速度の改善もあって、Instagramなどの写真の加工と共有も快適になりそうだ。
 
 
(3) 通信速度が10倍
iPhone 5は高速なLTEによる通信に対応している。規格上ではLTEの最大通信速度は37.5Mbpsから75Mbps(一部地域)で、iPhone 4Sで採用されている3G通信の最大14.4Mbpsに対して2倍から5倍程度の差だ。しかし、より大事なのは実際の通信速度だ。iPhone 4Sでは実際には数百kbpsから1Mbps程度の通信速度しか出ない(都内の場合)。いっぽう、先日のiPhone 5の記者発表会のテストでは10Mbps程度の性能が出ている(ダウンロード時)。いままでテキストや写真を見たり投稿したりは現実的だったが、動画を出先で見たり投稿する気にはなれなかった。しかし、10Mbpsあれば動画の利用も十分可能だ。
もっともauの場合はデータ転送の上限が7GBなので、あまり頻繁に動画を利用すると、すぐに上限に達してしまうかもしれない。
 
 
(4) より美しい写真を、より確実に撮れる
スペック表で見るとiPhone 5のカメラはiPhone 4Sとまったく同じだ。しかし、実際にはかなり性能がアップしている。まず、サファイアクリスタルカバーの採用。カメラの命はレンズだ。そのレンズの前にあるカバーが傷つけば画質も落ちてしまうだろう。サファイアクリスタルはダイヤモンドの次に硬い素材だという。
A6プロセッサ内に高性能な画像処理機能を搭載したことで、撮影時のノイズをより低減できるようになった。さらにカメラの起動速度が40%高速化された。カメラは「撮りたい」と思った瞬間にシャッターが切れることが重要だ。また暗い場所での撮影にもより強くなっているという。
iPhoneはもはやコンデジのライバル商品であるといえるくらい、カメラ性能が重要になってきている。そのカメラ性能において、画素数を増やすよりも、レンズやノイズ処理に力を入れたのはスペックより実質を重視するアップルらしいやり方だ。
 
 
(5) より広い画面でより多くの情報を表示できる
iPhone 5ではiPhone史上初めて画面のプロポーションが変更され、縦に18%ほど長くなった。実寸でいうと画面の長さはPhone 4Sの約75mmに対して、iPhone 5は約88.5mmということになる。この約13.5mmの差がどれだけ実用上影響するだろうか?
画素数でいうと176×640pixel、文字数で言うと300文字から400文字くらいは表示できるエリアが追加されたことになる。たとえば地図の表示でも縦に長ければ、移動する方角の情報をより多く表示できる。「縦に長くなる」ことは中途半端に縦横に広くなるよりも実利が大きいだろう。
 
というわけで、iPhone 5は、iPhone 4Sユーザーの目から見てもやっぱり魅力的である。
さて、どうしようかな?
 
 
 続きを書きました。 
 
 
 
 

八景島で初音ミクに会ってきた

初音ミクと言えば、いまや超人気のバーチャル・アイドルである。その初音ミクのステージ・パフォーマンスを間近で見る機会に恵まれた。

 

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初音ミクのライブステージは開かれるたびに超人気のプレミアム・チケットになる。最初の頃は「バーチャル・アイドルのライブだぁ?」と世間的に(こいつ頭大丈夫か?)ぐらいの感じだったが、北米トヨタやGoogleやファミマのCMに出て、天下のNHKほか在京キー局の朝番組に何度も取り上げられたおかげなのか、最近は初音ミクを話題にしてもバカにされるどころか、「実は私も好きで」とカミングアウトされたりするくらいで、確実に人気は広がっている。

今、横浜・八景島シーパラダイスで9月23日まで上演されている『HATSUNE Appearance』は、出版社であるアスキーメディアワークスのCGM編集部が手がけた初音ミクの歌と踊りのステージ・パフォーマンスだ。TVなどで紹介される初音ミクのライブはゲームメーカーのセガのCGテクノロジーが注がれているが、出版社に高度なCGテクノロジーがあるわけがない。当然、低予算、手作り感満載になると思うのだが…これが行ってみたら、予想以上のハイクオリティだった。CGの立体感、踊りの滑らかさ、演出、どれをとっても素晴らしいできばえなのだ。

なぜそんなことが実現できたのかといえば、初音ミクのダンスPVを作成するためのフリーソフトウェア「MMD(MikuMikuDance)」とその使い手であるアマチュア作家たちを起用したことがその秘密だ。フリーソフトとアマチュア作家の手で、CGを専業とする企業にひけをとらないエンターテイメント映像を作り出したのだ。

今回制作を行った「CGM編集部」の”CGM”とは、たぶん「コンシューマ・ジェネレーテッド・メディア」(消費者が作り出すメディア)の略で、普段はニコニコ動画やYouTubeで活動しているアマチュア・クリエイターたちに、ネットの外でも活躍の場を提供し、その才能を活かしていくというのが「CGM編集部」の設立目的らしい。その最初の目的は、十分に果たされたんじゃないだろうか? というくらいに素晴らしいできだった。

驚きのクオリティの秘密はそれだけでなく、「EYELINER」という最新の立体映像テクノロジーも導入されているそうで、そこらへんはアスキーPLUSの記事にちょっと解説がある。

 

以下は余談が混じる。

20数年前、僕がアスキー編集部に転職したとき、ほかの出版社から来た元マンガ編集者の同い年の男性が雑誌編集のイロハを教えてくれた。あるとき彼が「プロはアマチュアにはかなわないんだよね」と言った言葉がずっと印象に残っている。予算や締め切りの制限のないアマチュアと、さまざまな制約の元で仕事をしなければならないプロではそもそも条件が違う。クオリティを追求するだけなら情熱のままに制作できるアマチュアが有利だという意味だった。

今回、『HATSUNE Appearance』の試写になぜか招待していただいたのだが、会場につくと、その”彼”がいた。
軽く話をしたあと、試写を見た。観客席のパイプ椅子がちょっとチープでもの哀しさを感じたが、いったんステージが始まると、そこに展開される世界観に圧倒された。

セガが作る初音ミクのライブと違って人間の演奏者はいない。
その代わり、背景や全景に映し出されるCGによるさまざまな特殊効果は、ステージにさまざまな変化を与える。これは「ライブ」ではないけど、先のEYELINERの立体映像テクノロジーもあって、まるでプロモーションビデオから初音ミクが抜け出てきて、目の前でパフォーマンスを演じているような、不思議な迫力がある。このプロジェクトのために新たにデザインされた初音ミクは頭身が現実の女の子に近く、それもリアル感に一役買っている。

お約束のアンコールがあって、最後にエンドクレジット。”彼”の名前を探しても、なかなか出てこない。最後にやっと出てきたと思ったら肩書きが「Contents Director」。プロデューサーの一つ前だったから実質「監督」ということなのだろうか。

出版のプロだった”彼”は、ここ数年、初音ミクとMMD、ニコニコ動画を通してアマチュアの映像作家として活躍し、とうとう映像ディレクターになってしまったようだ。

今回の企画にはCGM編集部とは別に「Angel Project」という企画名がついている。ネットでファンが初音ミクを賞賛するときの定型文である「ミクさん、マジ天使」からきているらしいのだが、映画とアニメが好きなだけの元雑誌編集者をたった数年で映像ディレクターに変えてしまうとは、初音ミクは本当に天使なのかもしれない。

週アス・パチパチまとめ板は2枚セットで使う

今週火曜日に発売された、週刊アスキー 10/16増刊号の付録「パチパチまとめ板」ですが、みなさんもうゲットしましたか?

約20cm×14cm程度のナイロン地の板の上にゴムバンドが縦横に張ってあって、このゴムバンドにいろんなものを挟んでおけるという便利な整理グッズです。いつの間にか散らかってしまう僕のような人間には待っていました!という感じで、490円の雑誌に付いてくる付録としては秀逸です。なので2枚(=2冊)買ってしまいました。

2枚のまとめ板は、1枚をデジタル系モバイルグッズで、もう1枚をボールペンや付箋メモなどアナログ文具でまとめました。

1枚目

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  • イーモバイルのWiFiルータ(D25HW)
  • USBで給電できるエネループの外部バッテリ。
  • iPhone用USBケーブル
  • D25HW用USBケーブル
  • iPad用スタイラスペン(2本)

 

2枚目

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  • ボールペン(黒、赤)
  • 付箋メモ
  • 金属定規
  • 小型ステープラー
  • 小型マルチプライヤー
  • ホワイトボードマーカー

 

ちなみにマルチプライヤーは、

  • ペンチ
  • ニッパー
  • ナイフ
  • ヤスリ
  • プラス/マイナスドライバー

の機能があります。

ホワイトボードマーカーを持ち歩くのは、会議室に備え付けのマーカーがインク切れの場合に備えてのこと。

しっかりと濃いインクで書いてiPhoneで写真をとってPDF化するためには必須です。

(今は黒がインク切れで赤を使ってますが)

 

お弁当箱用バンドでまとめる

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この2枚をダイソーで買ったお弁当箱用のシリコンゴムバンドで1枚にまとめて持ち運んでいます。

(お弁当箱バンドのアイデアはfacebookのKさんの投稿を参考にしました)

 

このダブルまとめ板とiPhone、iPadがあれば、だいたい仕事の用は足りるので、会議室に移動するときなど

仕事をするときは常に持って歩くようにしています。

 

 

焦らないことが肝心

30年ぶりの高校の同窓会で再会した友人が、日能研の「開発本部」で働いているという。
普段は授業は受け持たず、日々、学習問題を作成しているそうだ。

日頃の疑問と不満をぶつけてみた。
今の子供は宿題が多すぎる。なんで、宿題があんなに多いのか?

彼の答えは、

「(子供たちの)趣味だから。好きでやっているから。
日能研では宿題は無理強いしていない。
できる範囲でやらせているが、子供が自分からどんどんやる。
すると親から”宿題が足りない、家でやらせるものがない”という要望がある。
それでまた問題を作る。
 
先週、夏期特別講習を受け持ってきた。行ったけど、面倒を見る必要がほとんどない。
みんな自分で黙々と勉強してしまうから。
 
日能研では子供にノビノビとやらせている。結局、彼らは好きでやっているんだよ。」

 

それは、たしかに自分でできる子というのはいる。
娘の友達にも何人かいるし、空手をやっていても、できる子はどんどん自分で成長する。
 
でもうちの子はまだ”赤ちゃん”から抜け出せず、学校と塾の宿題の荷が重い。家族で苦労している。
 

「結局、宿題や勉強なんてコツなんだよ。コツをつかんだ子はどんどんできる。
じゃあ、そのコツをつかむにはどうしたらいいかというと”自立”しかない。
自立と自覚があれば、子供は自分で問題を解けるようになる。
 
いつ自立するかは子供によって違う。早い子もいれば遅い子もいる。
でも小学生は、いったん自立すれば2ヶ月で偏差値が10とか20上がっていく。
僕らの高校生の頃の偏差値とは違うものだと認識しなければならない。
自立すれば2ヶ月で上がるのだから、親は焦ってはいけない。
ひたすら”自立”のための環境作りをしてあげるしかない。
 
親への依存度が強い子は、いきなり突き放してはいけない。
そうするとショックを受けてしまうから。
少しずつ手を引いていって自分で考えるように仕向けていく。
 
小学生のうちに自立できた子が麻布や開成に行く。
でも、中学生で自立して目覚める子もいる。
 
ある子供は中学受験に失敗して、なんとか入学した私立中でも赤点をとり続けていたが、先生たちが諭し続けて、中学2年生である日突然自覚して、勉強ができるようになった。」

 

自立と自覚が必要なことは、僕も奥さんも日々感じていた。
だから、日頃から
「お前たちはもう赤ちゃんじゃない、お兄さん、お姉さんなんだから自覚を持て」
と諭したり、夏休み中は、自分たちで朝食を作らせたり、いろいろ工夫をしてきた。
 
でも、前に進むスピードに満足できず、親として正直焦っていた。
 
今回、話を聞いてとても救われたのは「焦る必要はない」ということに尽きる。
 
自立すれば、2ヶ月で伸びる。だから自立のための環境作りに心を配る。
 
しばらくは、それに専念していこうと思う。

 

新しいiPadがやってきた

我が家にもようやく新しいiPadがやってきた。

発表の翌日の3月10日にはにオンラインのアップルストアで注文したのだが、届いたのは23日。ほぼ2週間かかってしまった。発売日の3月16日にはTwitterやFacebookで多くの人が届いた、買った、手に入れたと報告しているのを、悔しい思いをしながら眺めていた。
それから1週間遅れてようやく僕のiPadが届いた。Wi-Fiの64GBモデル。白いボディにアップルストア限定の赤い革製のスマートカバーがよく似合う。ガラスとアルミを共通モチーフとした近年のアップル製品の中にあって、この白いボディのiPadには、昔懐かしいApple ⅡcやMacintosh SE/30に似た、知性と人懐っこさを兼ね備えた魅力がある。

そして僕にとしては初めて、アップルストアの刻印サービスを利用した。いままでは、とにかく人より早く手に入れることしか考えていなかったので、納期に影響しそうな刻印サービスを利用することなど考えられなかった。
だけどもう、僕の中ではそういう時代は過ぎ去ってしまった。徹夜で製品発表をリアルタイムで追ったり、オンラインストアで注文可能になった瞬間に注文したり、ショップの前で徹夜の行列をすることは、すくなくともiPhoneやiPadのシリーズ製品のためにはもうないだろう。
その代わり、この素晴らしい製品群を世に出し、世界のあり方を買えてしまった男の言葉を、その製品の背中にきざむことにした。


「Stay hungry,  Stay foolish 」

iPhoneをATOK+Bluetoothキーボードで使うときにほしいショートカット

普段、iPhoneの日本語入力は左手のフリックでだいたい足りている。

セミナーや勉強会とかに出ると、内容をTwitterで報告して共有したくなる。いわゆる「実況」というやつだ。普段は左手フリックでなんとかなるのだが、スゴ本オフで次から次へと紹介される本のタイトルを素早く正確に入力しようと思うとキーボードが欲しくなる。

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そこでiPad + echofon Pro + Apple純正Bluetoothキーボードの組み合わせで実況しているのだが、iOSの日本語入力に使いにくさにいつも苦闘している。iOS5になってずいぶんと日本語入力も賢く使いやすくなってきたが、それでも、とんでもない馬鹿な変換が減っただけで、効率がいいとは言い難い。

それを改善したくてATOK Pad for iPhoneやTweet ATOKで代用できないか、試して見た。たしかに、かな漢字変換の賢さだけならATOKのほうがiOSよりも賢い。ただ、キーボードショートカットがちょっと独特でこのままだとiOS純正のほうが自分には使いやすいかも、と思ってしまう。

Apple純正のJISキーボードには、昔からスペースキーの両側に「かな」キーと「英数」キーがあって、MacでもiOSでも、これで日本語入力と半角英数入力を切り替えられる。仕事柄英単語がたくさん混じる文章をいつも書いているので、この2つのキーがないと仕事ができない体になっている。Windowsを使うときもAppleKというキーボード・ドライバを入れてMac用キーボードを使っているくらいだ。

ところが、ATOK Pad for iPhoneとTweet ATOKでは全角ローマ字かなと半角英数の切り替えを「option + space」キーで行う。押すたびに交互にモードが切り替わる。これは、Windowsで101英語キーをPCに接続しているときのショートカットに合わせたのだと思う。それはそれで悪くはないと思うのだが、せっかくApple純正JISキーボードには「かな」キーと「英数」キーがあるのに、それを無視するのはいかがなものか?

ジャストシステムにはぜひ、以下のキーボードショートカットをATOK Pad for iPhoneとTweet ATOKに実装してほしい

  • かなキー で日本語入力モード
  • 英数キーで 英語入力モード
  • Comamnd + N で新規メモ、もしくは新規ツイート入力画面
  • Command + S で保存(ATOK Padのみ?)
  • Command + W でメモを閉じる、もしくはツイート入力画面を閉じる
  • Command + Enter で ツイートを送信(Tweet ATOKのみ)

 

Windowsユーザーには、昔から「Macユーザーはマウス中心でキーボードショートカットは使わない」という間違った思い込みの人がいるが、事実は逆で、Macのヘビーユーザーは昔からキーボードショートカットにこだわる傾向が強い。いやむしろ、早い時期からCommandキーとマウスを組み合わせたMac的ショートカット文化と、CttlキーやAlt(Option)キーを使ったUNIXやDOS由来のショートカットキー文化の両方を普通に使えるMacのほうが、ショートカットキーにこだわる傾向があるかもしれない。

Windowsの場合は、長らく標準だった106キーボードで、コピー、カット、ペーストをMacのCommand+X、C、Vに中途半端に似せてControl+X、C、Vに割り当ててしまうという失敗を犯した。そのため、DOSで一般的だったダイヤモンドカーソルや、UNIXで一般的なEmacsのショートカットと併用しにくくなってしまった。MacやiOSにはそういう弱点がない。

ジャストシステムは長らくMac用の製品を作り続けているのだが、もともと会社のルーツはDOS/Windowsにある。その会社的DNAがiOS用製品を作る際に反射的にMacライクではなくWindowsライクなキーボードショートカットを優先させてしまったのだろうか?

それはともかく、上記の欠けているMac的ショートカットを実装すれば、ATOK Pad for iPhoneやTweet ATOKを愛好するオピニオンリーダー的ヘビーユーザーが増え、結果としてiOSのATOK関連製品ユーザーを増やすことになると思うのだ。