あなたが失敗する3つの原因
予想していたよりも面白かった。
『あなたはなぜ同じ失敗をするのか?』(芳賀繁・著)は、失敗の原因と心理学の立場から分析し、防止方法を解説した電子書籍だ。
本書では失敗の種類を、「ミステイク」(勘違い)「アクション・スリップ」(動作の失敗)「ラプス」(記憶の失敗)の3つに分類している。この分類がわかりやすく、かつ納得しやすいものだった。
僕らが日常よく遭遇する間違い、改札で社員証をかざしてしまったり、キーボードにコーヒーを注いでしまったり、取引先の相手の名前が思い出せなかったりというような現象の理由がきちんと解き明かされるのが読んでいて気持ちいい。
いっぽう、防止の方法については指さし確認やイメージトレーニングなど比較的よく知られているものが多くて、そこは「なーんだ」とも思うのだが、逆によくあるマニュアル的作業手順にもちゃんと裏付けがあることがわかる。また、「ダブルチェックでミスが増える」など、社会心理の問題なども紹介されている。
避難と賞賛の間にあるもの
そして深刻な大事故や大災害のときに硬直的、お役所的な対応で避難を浴びるケースと、柔軟で人間的な対応で賞賛を浴びるケースになぜ分かれるのか? という問題はとても興味深く考えさせられた。
僕は常に効率の良い仕事で楽をしようと考えている人間だが、無駄な仕事の原因はつまらないミスとやり直しなので、いかにミスや伝達エラーがおきない仕事方法を編み出すか工夫をしている。そういう視点で非常に参考になる書籍(電子のみだけど)だった。お勧め。
立ち読み ⇒http://bit.ly/1u0d1KM
(このエントリの著者はミニッツブック編集部関係者ですが、記事の内容はごく私的かつ公平なものです)