Make: Tokyo Meeting 07で見つけた5cm角のミニ衛星

日曜日、大井町のイオンに買い物に行くために東工大のキャンパスを抜けて大岡山に出た。

休日なのにやけにたくさん人がいるな、と思ったら正門に「Make:」の看板が掲げられていた。おお! あのオライリーのイベントが自宅の近所で開催されるなんてラッキー! というわけで、大井町から戻ってからちょっと会場を回ってみました。

東工大正門の脇にある「百年記念館」のなかで見つけたのは5cm×5cm×5cmの人工衛星を打ち上げるプロジェクト。

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こういうミニ衛星のプロジェクトは、ときどき目にしてきた。大きな人工衛星が打ち上げられるときに余ったペイロードを借りて一緒に打ち上げてもらう手作りの衛星だ。2008年には東大阪市の町工場の人たちが打ち上げた衛星「まいど1号」がテレビや新聞で紹介された。ただ調べてみるとまいど1号は一辺が50cmもあって小型衛星といってもかなり大きい。ちょっと前にはニコニコ動画で「SOMESAT」という宇宙空間で初音ミク(正確には、はちゅねミク)にネギを振らせるプロジェクトが紹介する動画があった。これは以前東大が打ち上げた10cm角の衛星「CubeSat」を参考にしている。今回、Make:に出店したいたのは、東大と多摩美によるジョイント・プロジェクトだという。それにしても5cm角というのはかなり小さい。こんな大きさで人工衛星を作れるのだろうか?

残念ながらまだ衛星の実機はできていないようで、置いてあるのは実物大のペーパークラフトだけだった。代わりにデモをしていたのは、さらにさらに小さい3cm角のアクリルボックス。中には太陽電池と基盤がぎっしり詰まっている。説明してくれたお兄さんが「この会場で売っていた音声合成回路を組み込みました」といいつつスイッチをいれる。すると、横に置いた無線機からいかにもな機械的な声が聞こえてきた。こんな風に打ち上げた衛星から電波で情報を収集できるという。

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「こんな小さな衛星を打ち上げる目的は何ですか?  打ち上げて衛星軌道に乗せることだけが目的ですか?」 とやや失礼かもしれないことを聞いてみた。すると、こんな小さな衛星にもちゃんと仕事がこなすことができるのだという。放射線を測定したり、アマチュア無線の中継局として使うことができるそうだ。実際に何に使うかは、持ち込まれる依頼と、搭載できる機能の兼ね合いで決まるという。

衛星の部品はすべて民生用の市販されているものを使う。だから、衛星を作るだけならそんなに難しいことではないそうだ。これらのミニ衛星が投入される軌道は環境的にそれほど厳しい場所ではないからだという。とはいえ、温度の変化に対するテストや放射線に耐えられるかというテストはやらなければならない。特に放射線のテストは放射性物質を借りてきて、しばらくその近くにおいても壊れないか確かめる。また、さまざまな状況を想定して、何重にもフェイルセーフの仕組みを用意するという。また、JAXAとの折衝もいろいろ面倒で、その2点からやはり大学のような組織でないと実行が難しいとのことだ。

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最近は、宇宙のゴミ、スペースデブリが問題になっている。過去30年間に各国が打ち上げた人工衛星が役割を終えたあとも放置され、宇宙のゴミとなって地球の周りを漂っている。ときどき、大きな衛星が落ちてきて、人の住んでいる場所に落ちる確率がニュースになる。

宇宙のゴミを増やさないように、これらのミニ衛星は打ち上げて2、3年で落ちるような低軌道に乗せる。部品の耐久テストもそれを前提に行うのだが、東大のCubeSatは打ち上げから6年たった今でも稼働中だ。これはある意味オーバー・クオリティなのだが、日本的な技術的精度の高さを表しているともいえる。

昨年話題になった「はやぶさ」は、60億kmの旅の途中に次々とアクシデントにみまわれながら、用意された複数のフェイルセーフの仕組みを駆使してそれを乗り越えて地球に帰還した。この小さな衛星にも、はやぶさと同じ技術者のスピリットが込められているんだろうな、と思った。

 

 

 

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ともゆき@zubapita

ともゆき@zubapita

作ったモノ 雑誌:月刊アスキー(デスク)、アスキー.PC(副編集長)、インターネットアスキー(編集長)、アスキーPCエクスプローラー(編集長) Webサイト:東京グルメ/ライブドアグルメ、映画を語ろう、本が好き 著書:「Twitter 使いこなし術」「facebook 使いこなし術」 最近は、株式会社ブックウォーカーにて、「BWインディーズ」をやってます。

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