iPhoneゲームが任天堂を飲み込む日

ここ10年くらいはゲームとあまり縁がなかった。それが最近またゲームをする時間が増えてきた。

今年の前半はFacebookのCityVilleにさんざんハマって時間を吸い取られた(危険すぎるので撤退)。いまは、iPhoneのゲームを電車の中でときどきやっている。

僕がiPhoneで楽しんでいるゲームは、自動車レースのReal Racing 2、第二次大戦の空戦ゲームSkies of Glory:Battle of Britain、剣と魔法のアクションRPGであるInfinity Blade、ピンボールゲームのReal Pinball – Wild-Games、パズルゲームのAngry BirdsWormholesなど。バイオハザード 4も買ったのだけど、まだ遊んではいない。いずれも美しいグラフィックスとライトゲーマーでも楽しめる優しい構成と操作感で、へんに緊張することもなくリッチなゲーム世界を楽しめる。

現在のiPhone用ゲームはクオリティはほかのゲーム機と遜色がないレベルなのに価格は85円からせいぜい数百円と安い。セールで無料になることすらある。従来のゲーム機だと1本数千円もするからキチっとやりこまないともったいないので、なかなか買えなかった。しかし、数百円ならちょろっと遊ぶだけで終わっても惜しくない。iPhoneはいつでもどこでも必ず持ち歩いているので、ちょっとした隙間時間にゲームを楽しめるのもいい。とにかく気軽に楽しめるのだ。

僕の場合、iPhone 3GSからiPhone 4をスキップして今回のiPhone 4Sを買ったが、iPhone 4以降のRetinaディスプレイと強力なGPUが描き出す美しいグラフィックスは、iPhoneをとんでもなくクールな最強の携帯ゲームマシンに進化させていた。

iPhone 4Sの発表会でデモされた「Infinity Blade 2」(12月1日発売)のデモビデオを見れば、iPhoneユーザーでなくともその実力を感じられるだろう。

Chair Entertainment、「Infinity Blade 2」の新しいビデオを公開:


 

かつてiPhone 3Gや3GSのころはiPhoneゲームというとパズル系やクイズ系が多くて、任天堂のDSやソニーのPSPのような本格的な大作ゲームは皆無だった。任天堂の岩田社長も繰り返し、iPhoneはDSのライバルにはなりえないと主張していた(参考:任天堂 2009年3月期 決算説明会 質疑応答)。

しかし、Appleは携帯ゲーム機として、iPhoneとiPod touchをプッシュし続け、iPhone 4では既存携帯ゲーム機を完全に凌駕する処理能力と描画性能を実現した。Appleがゲーム重視であることは、今回のiPhone 4Sが1年半前のiPhone 4に対して「CPU性能は2倍、GPU性能は7倍」とアピールしていることからも伺える。他社製品と比較しても、iPhone 4Sの1ヶ月後にリリースされたGalaxy NexusがCPU性能ではiPhone 4Sを11%ほど上回っているのに対して、3D描画能力では逆にiPhone 4Sが272%も上回っている(参考:「Galaxy Nexus」と「iPhone 4S」のベンチマーク比較結果を公開!処理性能は「Galaxy Nexus」、グラフィック性能は「iPhone 4S」が優秀という結果に)。

もちろんゲームはハード性能だけでなく、優秀なソフトウェアタイトルがなくてダメだが、ここ最近は有名ゲームソフトハウスが続々とiPhoneに参入し、過去の人気タイトルの移植や、iPhoneならではの新規ゲームの登場が続いている。昨日はスクウェアエニックスが、名作RPG「クロノ・トリガー」のiPhone版を来月発売すると発表した。

すでにiPhoneとAndroidを合わせたスマートフォンゲーム市場の規模は、2011年中に携帯ゲーム市場58%を占め、DSとPSPを合わせた42%を凌駕する見込みとなっている。

NewImage

 

任天堂の岩田社長も株主からiPhone市場への参入を求めらる事態となっている。岩田社長はいまだに、スマートフォンなどにゲームを配信することは「まったく考えていない」と言うが、このままでは任天堂とソニーに敗れてハードを諦めたセガのように、いつか任天堂がソフトメーカーになる日が来ないとはいえない。

しかし、優れたハードとソフトを併せ持ちながらオープン型プラットフォームとの競争で赤字に転落し、ソフトをほかのプラットフォームに提供する圧力にさらされているという現在の任天堂の状況は、実は1990年代後半に危機に瀕したときのAppleによく似ている。このとき、Appleは一度はMac OS Xを互換機メーカーにライセンスしてしまったが、直後に復帰したジョブズがライセンスを停止し、逆にCPUからアプリやサービスまでエンド・ツー・エンドで一体化した垂直統合を極めることで逆転勝利した。

任天堂が歩む道は、セガとAppleのどちらが歩んだ道になるだろうか?

 

 

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投稿者:

ともゆき@zubapita

ともゆき@zubapita

作ったモノ 雑誌:月刊アスキー(デスク)、アスキー.PC(副編集長)、インターネットアスキー(編集長)、アスキーPCエクスプローラー(編集長) Webサイト:東京グルメ/ライブドアグルメ、映画を語ろう、本が好き 著書:「Twitter 使いこなし術」「facebook 使いこなし術」 最近は、株式会社ブックウォーカーにて、「BWインディーズ」をやってます。

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