iPhoneは勝ち残れるか?
6月 9th, 2010
昨夜のWBSで、iPhone 4の発売を紹介するコーナーで、「Appleは勝ち続けることができるか?」という解説をやっていた。
それによると、
「iPhoneは垂直統合型で、それに対して水平分業型のAndroid勢が攻勢かけている。
以前も、1984年に垂直統合型のMacintoshが発売され、続いて1985年に発売された水平分業型のWindowsが、Macintoshを打ち負かした。
今回も、オープンなAndroidがいずれは勝つでしょう。」
ということだった。
同じような話は、たぶん昨日世界中で10万回以上繰り返されたんじゃないだろうか?
このストーリーが決定的に間違っている点をあげてみよう。
- 1984年に発売されて以来、Macintoshは市場でずっとマイナーな存在だった。米国でも日本でも最大でも15〜20%程度のシェアしかとったことがない。それに対して、IBM PC互換機は1984年ごろから現在まで、市場で寡占的な存在である。
- WindowsがMacitoshを逆転したわけではない。MS-DOSがWindowsに置き換わっただけ。その結果、DOS時代にはあったMac OSの優位性、存在意義が大幅に縮小し、市場シェアもそれにあわせて、さらに小さくなった。
- ハードウェアのコストパフォーマンスで比べたとき、当時のMacintoshの競争力は非常に弱かった。とくにローコスト機のハードウェアスペックは、PCと比べると貧弱だった。高性能機はPCに匹敵するものもあったが、コンシューマ向けには高価すぎた。
- 当時のMac OSは、つぎはぎで延命を続けた結果、不安定で安心して使えないものとなっていた。しかも、95年以降も完全なマルチタスクやメモリ保護などのモダンOSの基本機能を欠いていた。
つまり、DOSに比べればGUIやマルチメディアという、わかりやすい特徴があったが、同じGUI OSであるWindowsに対しては、「デザインがいい」「考え抜かれていて使いやすい」「ポリシーがある」などといった、使い込んでみないとわからない、しかも、使う人の経験値によって評価が異なるあいまいな優位性しかなかった。
これでは、負けて当たり前だ。その後、Appleは大赤字でSun Microsystemsに買収される寸前までいき、起死回生の策としてNeXTを買収した結果、創業者のJobsも戻ってきて、競争力のあるソフトウェアとハードウェア、そしてカリスマ性のあるリーダーを獲得して復活した。
一方、iPhoneについて考えてみると、
- 音楽再生機器(iPod / iPhone)と音楽流通(iTunes Store)における寡占的シェア
- iPhoneが5000万台、iOS機全体で1億台というスマートフォン、携帯機器市場で十分存在感を発揮するシェア
- 標準的な規格を採用しながら、自社技術で開発した高度なハードウェア(Apple A4)による差別化
- 価格面でも他社とほぼ同等
- Androidと並ぶ、モバイルOSとして先端的で十分な機能を持つiOS
- 22万5000本という、圧倒的なAppStoreのアプリケーション数
- iPod以来のDockコネクタなどによる、膨大な周辺機器
と、強みを列挙しだしたら、キリがない。選択肢が少ないとか、アプリの認可基準があいまいで専制的というネガポイントがあっても、これだけの強みがある巨大な製品&サービス群との関係を逆転するには、Android陣営は相当な努力が必要になるだろう。
「オープンだから」勝てるほど、世の中甘くはない。もちろん、Androidにも勝機はあるだろうけど。
(というか、Appleはいまだに挑戦者で、ディフェンディング・チャンピオンはNokiaやRIMなのでは? という話もありますが。まあ、「iPhone的スマートフォン」というくくりで)
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カテゴリー: iPod/iPhone








