2010年のピンボール – 大人のためのハマるiPadゲーム(1)

ゲームは嫌いじゃないが、最近めっきりしなくなった。最近の複雑なゲームシステムにはついていけない。長大なゲームシナリオを攻略する時間もない。いい年していまだにアニメを見るが、アニメ顔のファンタジー系RPGには、どうも感情移入できない。

iPhoneゲームも一時期ハマったけど、結局Twitterのほうが面白いので、今はゲームは滅多にやらなくなった。

そんな僕の貧しいゲームライフが少し変わった。いや、だいぶ変わった。やるべきことがあるのに、ついついゲームに手を出してしまう。そんな久しぶりの体験。それはiPadのせいだ。iPadの大きなマルチタッチ画面が、ゲームのエクスペリエンスを進化させたからだ。

僕がいまハマっているゲームの代表が、今回紹介する「Pinball HD」(350円)。

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もともとは、iPhone用にバラバラに販売されている、「Wild West」「The Deep」「Jungle System」という3本のゲームをiPad用に改訂して、ワンパッケージにしたものだ。

3本のゲームの切り替えは、上下のフリックで行い、表示されているゲームの画面をタッチすると、ゲームが開始される。

ボールがプランジャー(打ち出し機)に投入されたら、ぐっと指でひっぱって押し下げ、離すとバネの力でボールがレーンに打ち出される。ボールは弧を描いてフィールドに入り、ポストにぶつかり、派手な音と光をともなってバンパーに跳ね返され、やがて重力に逆らえずに落ちてきたところを、すかさずフリッパーで打ち返す…。

ビデオゲームにおけるピンボールの歴史は古く、80年代前半のApple IIのゲームの人気ランキングの上位には、常に1つか2つのピンボールゲームが入っていた。1983年には自分の好きなようにピンボールをレイアウトできる「ピンボール・コンストラクション・セット」が登場している。Windows 95の拡張キットにもピンボールゲームが含まれ、これはWindows NT4.0からXPまで、WindowsのインストールCDに標準で収録されていた。

これらのビデオゲーム版ピンボールは、ソリテアやマインスイーパーと同じように、「シンプルだからハマるゲーム」だった。この「Pinball HD」もまた、シンプルなゲームだ。だけどこいつには、それ以上のものがある。まるで本物のピンボールマシンを相手にしているような、錯覚的な体験。それが魅力なのだ。

Pinball HDには、2つのモードがある。横モードでは、ピンボール台はパースがついて固定された状態で表示される。これはこれで良いのだが、従来のビデオ・ピンボールと大きく変わらない。いっぽう、縦モードでは、カメラはボールの周辺のクローズアップして表示する。ボールが動けばカメラも動き、状況によってズームアップしたりズームダウンする。まるで本物のピンボールマシンで自分の視線がボールを追いながら、周囲にも気配りするがごとく。

このリアリティが半端ない。慣れないウチはちょっととまどうが、やがてゲームの世界に没入し、音と動きからボールの軌道と落下地点を予測できるようになる。

iPadのマルチタッチを活かしたフリッパーの操作感も素晴らしい。力のいれ加減で、ボールのスピードを殺してフリッパーの肩でボールをホールドしたり、左右のフリッパーの間でボールをパスしたり、きわどい軌道で落ちてくるボールに先端をひっかけて、打ち返したり。

はっきりいって、どれだけ練習すれば本物のピンボールでこんなテクニックが使えるようになるだろう? というような技が比較的簡単に習得できる。俺はもしかして、現実のピンボールもうまくなっているんじゃないか? と錯覚する。

ただひたすらピンボールを打ち続けるだけで、その華麗なテクニックで見知らぬ女の子を魅了してしまった『1973年のピンボール』の主人公の「僕」のごとく、ひたすらストイックにピンボールをプレイし続ける。ちょっとナルシステイックな快感が、このゲームには秘められている。

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投稿者:

ともゆき@zubapita

ともゆき@zubapita

作ったモノ 雑誌:月刊アスキー(デスク)、アスキー.PC(副編集長)、インターネットアスキー(編集長)、アスキーPCエクスプローラー(編集長) Webサイト:東京グルメ/ライブドアグルメ、映画を語ろう、本が好き 著書:「Twitter 使いこなし術」「facebook 使いこなし術」 最近は、株式会社ブックウォーカーにて、「BWインディーズ」をやってます。

“2010年のピンボール – 大人のためのハマるiPadゲーム(1)” への2件のフィードバック

  1. う———む。

    タイトルから反応してしまいました(笑

    ピンボールって、やってみると意外に奥が深いのですよね
    個人的にはアナログなほうが魅力なのだけれど、iphone買おうかなぁーって思ってしまった私って…

  2. 来るかな? と思ってました。1973年のピンボール好きだと言ってたからw >たけさん

    ぜひ、iPad買って、小説の主人公の気分を味わってください。
    3フリッパーの台がないのが残念ですが。

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