池田信夫先生の新キャンペーン。「ハンコ・元号・縦書きをやめよう」。ハンコと元号はまったく同感。縦書きについては、いろいろ異論も出ている。
また私の見ている画面のほとんどはPCのモニターなので、縦書きは読みにくく、文書をファイルするときも混乱する。日本だけが右縦書きという世界に例をみない方式を続けているのは、新聞が最大の原因だろう。『週刊ダイヤモンド』や『月刊アスキー』などは一時は横書きだったが、縦書きに戻してしまった。横書きが読みにくいとか「学術書くさい」というのはオヤジの思い込みで、ケータイがメインになっている若者にとってもメディアのほとんどは横書きだ。
[From ハンコ・元号・縦書きをやめよう – 池田信夫 blog]
昔のアスキー社内では、横書きの雑誌を作っている編集部は、縦書きの雑誌を作っている編集部を「コンピュータを知らない素人」と哀れんでいた。縦書きの雑誌を作っている編集部は、横書きの雑誌を作っている編集部を「雑誌の作り方を知らない素人」とバカにしていた。実際、真実の一面ではあったのだけど、たぶん外から見れば目くそ鼻くそを笑うというか、井の中の蛙というか。
コンピュータや経済などの話は横書きが向いているけど、小説やエッセイなど情緒的な文章は縦書きが向いている、というのは、よく言われること。僕の大学の先生の一人は、「日本語は縦書きにするように作られている。理解しにくい文章も縦書きにすると理解しやすくなる」と学生に向かって説いていた。そうか、池田先生のブログが難しくて理解できないことがあるのは、僕に経済学の知識がないからじゃなくて、ブログが横書きだからなのか。安心、安心。
Danさんも含めて、縦書きのほうが目の移動が少ないとか、いろいろ縦書きの利点も語られているけど、ぶっちゃけ慣れの問題でしょう。あとはデザインね。縦書きか横書きかよりも、どんなフォントを使うか、1行の文字数はどのくらいで、字間と行間はどのくらい、ということのほうが、読みやすさを左右する。
余談だけど、僕がライブドアに入ったとき、ライブドアのポータルサイトは行間が狭くて読み辛かった。雑誌屋の感覚からすると、あり得ない感じ。
とりあえず会議で「レギュレーションの行間が狭すぎる」って言ったら、「みんなでいろいろテストして、この行間が読みやすいって結論になったんです」と。「そりゃ、みんなが若いからだよ。40歳すぎると、だんだん読みにくくなるんだよ」と言ったら笑われてしまった。こっちはマジだったんだけどね。
去年、東京ミッドタウンの地下のセブンイレブンで、奇妙なことに気がついた。店内のお客に向けた注意書きが縦書きなんだけど、行が左から右だったんだよね。あそこは店員さんの多くが外国人だったので、その誰かが書いたのだろうか? でも、なぜ縦書き? あと店長は日本人だったはずだけど、なぜそのままだったの? お客さんでひとりくらいクレームを付ける人はいなかったの?
もしかして、縦だ横だ、右だ左だって、すでにどうでも良いことなのでしょうか?