月刊アスキー最後の編集長だったK氏から入電。「ユリイカが初音ミク特集号を発売。チェックすべし」
アイアイサー! というわけで、昨夜恵比寿アトレの有隣堂に寄って「文芸誌のユリイカありますか?」と聞いてみた。
「12月号ですか?」「はい」
案内されて、「お、ここが文芸誌の棚じゃん」と思ったら素通りする店員さん。なんと店の一番奥のDTMコーナーにもの凄い量(高さ50センチくらい)のユリイカが積んでありました。
「モノがモノなんで、こっちに置いてます」と店員さん。
こんだけ凄い量のユリイカが一度に棚に置かれるって、空前絶後なのでは。
この本の内容が凄い。凄すぎる。237ページすべてが初音ミクと中心としたボーカロイド論。でもって、ユリイカだから字ばっかり。
初音ミクの産みの親のインタビューに始まり、コミュニケーション論、音楽論、文芸、SF、生物学、映像文化論、知的財産権、情報科学、情報生態論などなどの専門家達が、ムズカシイ専門用語を駆使して、初音ミクについて熱く語っている。とんでもない情報量。インタビューでは御大・鈴木慶一や平沢進まで登場し、中森明夫もアイドル評論家として参戦(笑)。
この本は、はっきり言って変です。オカシイ。街の本屋で売るような本ではない。
だって、評論家&学者の先生方が、詳しすぎる。よくある、専門家が編集部から「最近ブームになっている初音ミクってご存じですか? 一本原稿をお願いしたいんですが」と頼まれてちょっと調べて書いたというような本作りとは真逆な感じがする。文章に熱意が籠もりすぎているんだよね。ボカロクラシックとかはちゅねみく、歌ってみたにまで言及してるし。
この増刊号から漂ってくるのは、ユリイカ編集部と周囲の知識人で初音ミクが好きな人が集まって、思いの丈をぶつけましたって感じ。どうせなら冬コミで売れば良かったのでは? お堅い評論家や学者さんたちが、コミケでこの本を手売りする光景は楽しいと思う(笑)
初音ミクやボーカロイドの音楽が好きな人は、買っておいて損はないと思います。
ただし、巻末の「ボーカロイド・ヒットパレード」にメルトとサイハテが入ってないのはどうよ?