iPhoneが企業に入り込む
Apple、SDKを含む「iPhone 2.0」β版を発表 – ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/07/news013.html
6月に正式版のリリースが予定されている「iPhone 2.0」のβ版を、一部の開発者と企業顧客向けにリリースすると発表した。
(中略)
iPhone SDKは、iPhoneおよびiPod touch向けのアプリケーションを開発するためのiPhone OS APIと各種ツールを提供する。iPhone SDKのβ版は無償でダウンロードでき(Apple IDによる開発者プログラムへの登録が必要)、Mac上で動くiPhone Simulatorで動作させることができる。
またAppleは同日、開発者プログラム「iPhone Developer Program」の立ち上げと、ユーザーがサードパーティー製アプリケーションをiPhoneおよびiPod touchで検索したり直接ダウンロード購入できるアプリケーション「App Store」を発表した。
App Storeでは、開発者は自分のアプリケーションの価格を自由に設定(無料を含む)でき、売り上げの70%を得ることができる。企業ユーザーは自社の従業員のみがアクセスできるセキュアなダウンロード用ページをApp Store内に設置することができる。App Storeにアプリケーションを掲載するには、Appleの認可が必要。
ほぼ予想通りの展開だった。
零細3rdパーティも参加できるオンライン販売モデルは、10年前にBe社がやったことだ。
iPhoneの場合、セキュリティ・コントロールもできるし、3rdパーティ市場も活性化できて一石二鳥。
むしろ意外だったのが、iPhone 2.0がMicrosoft ExchageやIPsecに対応し、ビジネス色を強めていること。
米国でBlackBerryが占めている企業向け情報端末のマーケットを狙っているということか。
Appleにとって、法人マーケットでのシェア向上は残された課題のひとつだ。以前のエントリ: Apple VS 日米欧IT企業 業績比較で紹介したように、法人に強い企業はIBMもHPもMicrosoftも売上げがでかい。魅力的な市場なのだ。
クリエイティブやWeb開発の現場で、もはやMacは珍しくないが、事務向けやサーバでは少数の事例を除けばあまりない。
そこで、iPodによってMacの個人市場を広げたように、今度はiPhoneによって企業内に入り込んでいく目論見だろう。
Flash搭載に熱心でないのは、いまはビジネス向けに注力しているからかもしれない。
僕はBlackBerryを使ったことはないが、SoftbankのX01TでWindows Mobile 6は使っている。
これに比べると、iPod touchのSafariとMailの使い勝手は天国のように快適だ(文字入力は別にして)。
Wi-Fi環境が整備されていない日本では、iPod touchを持ち歩いてもあまり使えないが、3G対応になれば、もっとも使いやすいモバイルプラットフォームのひとつになるだろう。
長文入力には、Mac用の薄型Bluetooth Keyboardが使えるようになれば面白い。